モウコハン。

   

重度のつわりに煙草の恐怖

私は自他ともに認める嫌煙家。そしてこのタバコ嫌いは妊娠によって100倍にも1000倍にもなりました。

妊娠中に最も辛かったのは毎日の通勤。片道1時間の道のりを、バス・電車・徒歩で通っていました。それ自体は何の問題もないけど、通勤の何が辛いかって…それは、タバコの臭いとポイ捨てされた吸殻!

家の外は恐怖の世界

外の世界では、どんなに避けようとしても、少なからず禁煙者と接触しなくてはなりません。皆さんもきっと、そう感じているでしょう。

喫煙コーナー以外は終日禁煙のはずの駅構内、当時はホームを歩きながらタバコを吸う人は珍しくありませんでした。今でこそ減ってはいるけれど、十数年前はまだまだ喫煙ルールやマナー問題の啓発なんて形式だけで、有って無いようなものでした。

私のような嫌煙家がわざわざ喫煙コーナーを避けて歩いたってぜんぜん意味がない。ちゃんとルールを守って喫煙コーナーまで我慢する人々もいる中、一部の身勝手な人間の行動がとても目立ってしまいます。

歩道…そこはかなりの危険地帯。いつ何処から煙や火の粉が飛んでくるか予想もできない場所。駅近くや人通りの多い歩道は特に危険。火のついたタバコを外側に向けて振りながら歩く人の多いこと多いこと!人とすれ違う時だけ向きを変える人がいるけど、そんなことで許されるものではありません。

私は何度か、誰かのコートや持ち物にタバコの火種が接触するところを目撃したことがあります。被害者はぜんぜん気づいていないし、もちろん加害者も自分のタバコの火が他人の衣服についていることなど気にも留めていない。そんなことに気づく神経のある人なら、はじめから歩きタバコなんてしないでしょう…。 被害者があとで自分の衣服についた黒いコゲを発見したときには、責めるべき相手はもうそこにいないのです。どんなに悔しくても泣き寝入りするしかありません。ただ、焦がされるのが衣服や持ち物ならまだマシ。火傷を負わせてしまったり、相手が子供ならば失明など、取り返しのつかないことになる危険性があります。

乗り物…電車やバスの中ではさすがに、タバコを吸っている人は見ないけれど、だからといって安心して大きく息を吸える場所でもありません。

乗り込む直前まで惜しむようにタバコを吸っている人、けっこう多い。まるで水中に潜る前に大きく息を吸って酸素を体いっぱいに取り込むのと同じように煙を吸い溜めする人たちがいます。きっと彼等にとってタバコを吸わない間は、息を止めているのと同じくらい苦しいのだろうな…と、生まれてこのかた一度も喫煙したことのない人間が想像してみても、やっぱり理解はできません。

そして乗り物の中には、彼等の吐く息や体じゅうから染み出る臭いが充満するのです。迷惑という意味では、強制的に嗅がされる香水や柔軟剤のニオイと同じ。本人だけがわかっていない大迷惑。

飲食店…禁煙席が店の奥の方にあって喫煙席が入り口近くにある場合、わざわざ禁煙席を指定して座る人も、席へ行くまでに喫煙地帯を通り抜けなくてはならない!ってことがあります。そして店を出るときも必ず通らなければなりません。中にはレジ近くで会計しながらタバコを吸う人もいます。もう席に座ってないんだからイイだろ!!っていう理屈なんでしょうねぇ…身勝手極まりない。

でも店員は決して注意をしない、いや、「できない」といったほうが正しいかな。そういうことを平気でやっちゃう人は、注意されると逆ギレするパターンの方々が多いでしょうしね…。これはまぁ、客商売だから仕方のないことだとは思うけれど、それにしても迷惑だし、これじゃ中途半端な分煙。カタチだけ。

要は、一人ひとりのモラル想像力の問題なのです。

職場…私が勤めていた職場では建物の外に喫煙コーナーが設置されていました。ちゃんと分煙が守られているこの場所は、私のような人間にとっては居心地が良いはず…

でも、実際は違うんですよね。彼らが喫煙所から戻ってすぐ私の側に寄ってくると、その体じゅうからタバコの臭いがプンプンしている!その息もタバコの煙そのもの!メチャメチャ臭い!!思わずオェッとなる。

おまけに彼らが歩いた場所にはタバコ臭の道ができているのです。当時、重度の「つわり」で苦しんでいた私にとっては、その”道”を通るのはとても勇気の要ることでした。

自宅にいても逃れきれない煙害

もっと言えば、たとえ自分の家の中にいても、煙草の臭いから完全に解放されるわけではありません。

嫌煙家の方なら、おわかりですよね?

そう…窓を開けると、ご近所からプ~ンと臭ってくるのです!我が家はマンション住まいですから、階下や隣にホタル族が住んでいると、もう一年じゅうタバコ臭に悩まされます。 ただ臭ってくるだけでもイチイチ不快なのに、ベランダに干した洗濯物や布団にまでそのニオイが付くのです。

「ニオイ」も「香り」も、公共の場では無いに越したことはない

「気にしずき」と言う人もいるでしょう。でも、自分が意図的に発する臭いを他人に強制的に嗅がせるという行為を世の人々は軽く考え過ぎています。タバコのニオイだけでなく、香水、香る柔軟剤なども然り。

「ニオイ」も「香り」も呼び方が違うだけ。アロマの香りだろうとフローラルの香りだろうと、万人が「イイ香り~♪」と思うワケじゃない。不快に思う人もたくさんいるのです。本人は「これくらいOKでしょ!」「女なんだからイイじゃん!」「これはイイ香りなんだ!」などと思っているのでしょうが、それは自己中心的思考。しかも、そういうのって本人はだんだん感覚がマヒして、もっと強い香りじゃないと物足りなくなっていくんですよね。

他人とすれ違ったときのニオイ・香りなんて、無ければ誰も迷惑しないのです!

「つわり」とニオイ

通勤途中、職場、お店、さらに家でも…

元々タバコ嫌いで、その上重度の「つわり」に苦しんでいた私には、本当にメチャクチャ辛くてたまりませんでした。何度泣きそうになったことか…いや、本当にキツイときは「もう勘弁してよ…」と、悔しいやら悲しいやら言葉にできない思いの涙が出ました。

気にする・しない、の問題ではないんですよ。私の身体が、お腹の子供が、そのニオイを受け付けないんだもの。もはや拷問ですよ。。

でも、世の中どんなに分煙が進もうとも、結局は吸ったもん勝ちになってしまっています。肩身が狭いと嘆いたり怒ったりする喫煙者の方々ね…そもそも自由じゃないのは当たり前でしょう。だってその臭い、ホントにスゴイんですよぉぉぉ。香水や香る柔軟剤で自己満足勘違いアピールしちゃってる人々もですよ。。

でも実際のところ、ニオイでも香りでもまき散らしながら歩く人には、こちらが我慢するしかないのでしょうね…悔しいけど。ニオイに限らず、騒音でも、その他迷惑行為全般…何でも、最後はやったもん勝ち(泣)。

一生忘れられないシーン…トラウマとなった姑の暴言

私にとってはきっと一生忘れることのできない、トラウマとなったシーンがあります。

正月、夫の両親やら親戚やらの集まりに、私たち夫婦も参加しなければならないことになっていました。

そこへ行ってみると、4畳半ほどの狭い部屋に10人もの大人たちが鮨詰め状態で酒を飲んでおり、その殆どがタバコを吸っていたのです。当然、部屋は白く煙っています。

これはもう行く前々から想定内だったので、私も相当な覚悟をしていました。だから驚きはしなかったけれど、「つわり」真っ只中の私は早くも吐き気で涙目になりながらも、なんとか顔には出さずに我慢していました。白い煙の中へ入っていくのは、とても勇気の要ることでした。

私が妊娠していることは、そこにいる全員が承知しています。でも私だけのために「外で吸って欲しい」なんて言えるわけがなく、この場は私が我慢していれば良いことだと思って、心の中ではゲーゲー言いながらも懸命に平静を装っていました。


私の隣に座っていた義妹は少しばかり私に気を遣って、煙を吐くときに向こう側を向いてくれていました。まぁ、そんなのは気休めにしかならないけれど、私はその僅かな気遣いだけでも嬉しく思いました。

しばらくして、誰かの言葉がきっかけで、私が煙草嫌いであるという話になっていました。その間、私は何ひとつ発言も反応もしていないのに、「妊婦の前でタバコを吸うのは良くない」とか「胎児に悪影響する」などと言っています。さんざんっぱら吸った後にですよ。

すると突然、姑が鬼の形相で怒鳴りはじめたのです。

「そんなのいいんだよ!」

私は自分の耳を疑いました。元々そういう傍若無人な姑だということはよくわかっていたけれど、ここまでくるともうリアクションできずに固まってポカーンとしてしまいます。

義妹「そんなこと言わないでさ…可愛い孫のためなんだからぁ(煙フ~!)」

それを聞くと、姑は間髪入れずに

「そんなことイチイチ気にしてたら神経質な子供が生まれる!お腹の子供にも今から慣れさせろ!」

と再びタバコに火をつけ、私の顔の前に煙を吐き出す…

これには、さすがに皆が引いていました。そして、これ以上コイツに何を言っても無駄だという空気が流れて、その話題は終了。

どうして、私はあんな事を言われなければならなかったのでしょう???

煙草の臭いに酷い吐き気を感じるのは私が「神経質」だから?

たとえ半強制的であっても、その場へ行った私が悪いのか?

私がもし愛煙家の妊婦だったら、姑に恐い顔で怒鳴られることはなかったのか。。

…このときはもう、怒りを通り越して悲しかったし、一生忘れられない恨み事、さらにトラウマにもなってしまいました。

この一件依頼、私は喫煙者を恐いと感じるようになりました。煙草を吸いたいという欲求は、その人の理性や想像力、道徳心、人として最低限の思いやりさえも、ごっそりと奪ってしまうのだから。私にはどうしようもありません。我慢するか、逃げるしか…。

ママゴコロ
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