モウコハン。

   

VBAC成功者に聞く恐怖の奇跡体験

できることなら、次は普通分娩で産みたい。でも怖い…
いくら悩んでもなかなか答えが出ず、悶々としていました。そこで、半年ほど前にVBACに成功した友人Aさんに、その体験談を改めて聞かせてもらうことにしました。

帝王切開の理由

Aさんは前回出産のとき微弱陣痛で、緊急帝王切開での出産となりました。児頭骨盤不均衡や胎児の回旋異常はなく、破水もしておらず、元気な胎動もあり、母体もさほど疲労を感じていなかったのに、安静にして様子をみたり陣痛促進剤投与などは一切行われず、いきなり帝王切開ということになったそうです。

「赤ちゃんが弱っている」と言われたことで彼女はパニックになり、それ以上の説明を求めることもなく医師の指示に従いました。生まれた赤ちゃんには何の問題もなく、元気いっぱい。

後から思えば、あのとき医師の対応次第では下から産めたんじゃないか?本当に帝王切開する必要があったのか?という疑問と後悔がAさんの中に残っているそうです。

病院が違えば、なるべく帝王切開を避けるべく手を尽くしてくれたでしょう。でも私たちが出産したこの個人クリニックは、何かあればすぐに帝王切開にされると有名なのです。

次は下から産みたい

それから約3年後に再び妊娠したAさん。かかる病院・医師は第一子のときと同じです。「女として生まれたからには、一度は下から産んでみたい!」という思いが強く、医師に尋ねたところ、「骨盤の大きさは問題ないから、予定日を過ぎなければ普通分娩で産める」と断言されました。

骨盤の大きさがOKだからVBACできるだなんて… そんな単純な話ではないことくらい、素人の私たちでも想像できることなのに。

そしてその唯一の条件「予定日を過ぎなければ」の説明として、

以前VBAC希望の妊婦が予定日を過ぎたので医師は帝王切開を勧めたが、本人は普通分娩にこだわり帝王切開を断固拒否してVBACに臨んだところ、子宮が破裂してしまった。だから「予定日過ぎたら帝王切開」

コレ… なんか引っ掛かりますよね?

患者が予定日を過ぎても帝王切開を拒否したから破裂した。 だから病院側に落ち度はない。患者が頑固だったせいだと言ってるみたいじゃないですか。

医師からAさんへの説明は、たったそれだけでした。

この話を聞いたAさんは「予定日さえ過ぎなければ下から産める!」と疑いもなく信じてしまいました。他にも適応条件があることや危険性などは一切知らずに、今度は絶対に下から産みたい!という願望だけで妊娠期間を過ごしたのです。



お粗末すぎる医療態勢

逆子などの問題もなく満40週を迎えた当日、つまり「予定日」。

「もうダメかもしれない」と思いながら診察に行ったところ、医師からは「あと数日経っても生まれなかったら帝王切開にする」と告げられました。…あれ?「予定日を過ぎたら」じゃなかったの??そんなテキトーでイイんですか?(呆)

そして幸い(?)、その日のうちに陣痛が始まりました。VBACでは分娩時の管理も非常に大切であり、妊婦の血圧・脈拍と分娩進行度厳重にチェックし、分娩監視装置で胎児の心拍・陣痛を厳重に監視することが必要とされています。ところがAさんが受けた対応は、これとは掛け離れたものでした。

Aさんは産気づいたときの行動についても医師から何の説明も受けていなかったため、出産本や病院の入院案内に書いてあるとおりに陣痛の間隔が10~15分おきになるのを待ってから病院へ行ったら「まだ早い」自宅へ追い帰され、いよいよ苦しくてたまらなくなってから再び行ったけれど、それでもまだ受け入れてもらえず再び帰宅するよう言われてしまいます。

しかしこの時点でかなり限界を感じていたため、「ここにいさせてください!」と懇願してようやく、一応ベッドのある部屋へ通されました。ところがAさんは何の処置もされないまま、ただベッドに横になってひとり待たされたそうです。

このとき早朝。病院内にいたスタッフは当直の看護師一人だけ。この看護師、Aさんが帝王切開経験者だということを知らなかったようです。まずこの病院では、VBACに臨もうとする患者が存在するという情報が一切伝達されていないのです。恐ろしいですよね。 それにもしこの看護師がカルテを見て知っていたとしても、その対応は同じだったものと思われます。医師を呼ぶでもなく、分娩監視装置を装着するでもなく、ただ陣痛室にAさんを放置し、ときどき様子を見に来るということすらありませんでした。

数時間後…

Aさんは、もうこれ以上は絶対に耐えられない!というところまで我慢。既に立って歩くこともできない状態で、四つん這いになって看護師を探しに行きました。呼び掛けても返事がないので必死で探し回ったら、看護師は診察室の奥で居眠り。

…もう最悪としか言いようがありません…。

Aさんの必死の訴えでようやく医師に連絡が行き、一般患者の診察時間が迫った頃にようやく医師登場。居眠り看護師はAさんの目の前で「スミマセン、(Aさんを)来させるのが早過ぎちゃって~」と医師に謝っていたそう…。

…早過ぎますか!?Aさんは既往帝切妊婦ですよ!?陣痛が来ただけでも子宮破裂する恐れがあるんですよ!ひとりで放置されてる間に破裂していてもおかしくなかったんですよ!恐ろしい…

ここからようやく分娩台へ…

奇跡のVBAC成功

相変らず分娩監視装置をつけるでもなく、静脈確保もされず普通のお産とまったく同じ対応で、ダブルセットアップ(すぐ帝王切開切り替えられるよう準備しておくこと)どころの話じゃありません。

せめて別の病院としっかり連携が取れていて、万が一のときはすぐにそちらで対応できる準備をしているというのならまだマシですが。…というか、そうしなきゃイケナイでしょう!?Aさんのような既往帝切妊婦が分娩中だからといって総合病院のほうで緊急帝王切開の準備をしているわけではないのです。これでは「連携が取れている」とはいえません。 つまりこの病院では、TOL(経膣試験分娩)中の患者に対して何の準備も為されないわけです。このクリニックで子宮破裂してしまったら、母子ともに命はありませんね。ますます恐ろしい…。

幸いにしてAさんは子宮破裂という最悪の事態を招くことなく、無事に第2子を出産しました。3500g以上ある大きめの赤ちゃんでした。Aさんは前回の出産時も今回も、胎児がなかなか下に降りてこなかったようです。そういう体質なのでしょうか。それだけでも帝王切開の原因になり得るというのに、よくぞVBACに成功したものです。 これは本当に運が良かったとしか言いようがありません。TOL(経膣試験分娩)の条件も、分娩時の管理も、VBAC成功の条件も、全てにおいて不十分だったのですから!

私は、こんな奇跡にすべてを懸けようなどとは…到底思えません。



帝王切開後のお産
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